「いろんな求人広告を試したけど、全く採用できないんだよね…。最後にIndeedにも月20万円かけたけど、応募もほぼなかった」
1年ぶりにお会いした、埼玉県にある内装工事会社のT社長はそう話してくれました。
そして、続けてこう言いました。
「もう、求人広告では職人は採用できないのかもね。矢島さんが前に提案してくれた方法でやってみるから、よろしく!」
以前、私がT社長に提案していたのが、ホームページ×SNSを活用した採用方法でした。求人広告を出して応募を待つのではなく、SNSを使って会社や仕事を知ってもらい、そこからホームページ→動画に誘導して応募につなげていく方法です。
特に今回採用したいのは、20代の内装工事の職人。
これまでの求人広告の反応を見る限り、求人広告だけでこの層にアプローチしていくのは厳しいと判断しました。見てはいるけど、応募まで至らない。だからこそ、「求人広告だけで発信する」のではなく、「SNSを使って発信する」という戦略に切り替えることにしました。
以前から、人手不足に悩む建築・建設業界では、SNSを採用に活用する会社が少しずつ増えていました。ただ、単純にInstagramやTikTokを始めて、仕事風景を投稿すれば採用できるほど簡単ではありません。
誰に見てもらうのか。
何を発信するのか。
SNSを見た人を、どうやって応募までつなげるのか。
そこまで含めて、「採用するためのSNS」としてしっかり設計してやってみようと考えました。そして実際に取り組んだ結果、求人広告では応募すらなかった内装職人からSNS経由で応募が入り、採用することができました。
今回採用した人は、TikTok→ホームページ→動画→応募という流れです。
求人広告に月20万円かけても応募ゼロだった内装工事会社が、どのようにSNSを活用して職人採用につなげたのか。実際に行ったことをもとに詳しくご紹介します。

求人広告も、地元の後輩採用も通じない。職人採用は変わった
求人広告を出しても応募が来ない、採用できない。そんな時、多くの会社がまず考えるのが、
「もう少し求人広告費を増やしてみよう」
「違う求人媒体に掲載してみよう」
「建築・建設業界に強い専門求人サイトを使ってみよう」
といった方法ではないでしょうか。
もちろん、求人広告を見直すことで応募が増えるケースもあります。
しかし、建築・建設業界、特に職人採用については、それだけでは解決できないケースが増えていると感じます。一昔前なら、社員が地元の後輩を連れてきて、「こいつ仕事探してるんだけど、うちで働かせてもらえませんか?」そんな流れで採用できることも珍しくありませんでした。
少しヤンチャだけど、体を動かして働きたい。手に職をつけたい。そんな若者が、地元の先輩や友人の紹介をきっかけに建築・建設業界へ入ってくることも多かったと思います。
ところが、ここ10年ほどで状況は大きく変わりました。建築・建設関係の社長と話していると、
「昔みたいに後輩を連れてくることがなくなった」
「社員に誰かいないか聞いても、誰もいない」
「仲間の会社に聞いても、みんな人が足りていない」
という話を本当によく聞きます。
求人広告に出しても応募が来ない、社員からの紹介もない、周りの会社も職人不足。それでも、仕事を受注して会社を成長させていくためには、人を採用していかなければなりません。
だからこそ、これからの職人採用では、求人広告を出して応募を待つだけではなく、「どうやって会社を知ってもらい、興味を持ってもらい、応募までつなげるのか」そこまで考えた、より戦略的な「採用の仕組み」が必要になります。
今回紹介する内装工事会社も、まさにその仕組みを作るところで採用できるようになりました。

HP×動画で興味を持った求職者を「応募したい」に変える受け皿を作る
T社長は「もう全部任せるよ」と言ってくれました。さらに、「ホームページだけど、仕事は十分にあるから集客は必要ない。採用に特化してくれても構わない」とのことでした。
そこで、これまでのホームページを大きく見直し、採用に特化したLP(ランディングページ)に作り替えることにしました。
※ランディングページとは、訪れた人に商品やサービス、今回であれば「この会社で働くこと」の魅力を伝え、応募などの行動につなげることを目的としたページです。
このホームページの役割は、求人広告やSNSを見て、「この会社、ちょっと気になるな」「どんな会社なんだろう?」と思った求職者に、会社や仕事のことをさらに知ってもらい、応募への最後の一歩を後押しすることです。
今回のメインターゲットは、20代の未経験者です。もちろん経験者からの応募も歓迎ですが、未経験者を採用したいのであれば、そもそも「内装工事とはどんな仕事なのか?」というところから伝えなければなりません。
そこで効果的なのが動画です。
実際の現場で作業風景を撮影し、「これは○○という作業です」「この作業では○○を取り付けています」といったように、内装工事を知らない人でも仕事内容をイメージできる動画を制作し、ホームページに掲載しました。
さらに、給与や休日、働き方、会社の雰囲気など、求職者が応募前に気になるポイントを視覚的に分かりやすくまとめ、よくある疑問についてもQ&Aを用意しました。
応募方法もWEB応募や電話だけではありません。LINEから気軽に問い合わせできるようにしたほか、Airワークも活用し、求職者が自分に合った方法で応募できるようにしました。
こうしてまず、興味を持った求職者を「応募したい」に変える受け皿を作りました。
しかし、どれだけ良いホームページを作っても、見てもらえなければ応募にはつながりません。次に必要なのは、このホームページを見てもらうための「入口」を増やすことです。
そこで活用したのが、今回のもう一つの柱であるSNSでした。

SNSを広告にしてホームページに送り込む
こちらの会社では、以前からInstagramのアカウントを持っていて、定期的に投稿もしていました。
ただ、投稿の中心は現場写真。会社の情報発信としては意味がありますが、閲覧数はそれほど伸びておらず、新しい人に会社を知ってもらう「採用の入口」として考えると、少し弱い状態でした。
そこで、写真中心の投稿からショート動画中心の運用へ切り替えることにしました。
ショート動画のメリットは、フォロワー以外の多くの人にも見てもらいやすいことです。もちろん、ショート動画なら何でも再生されるわけではありません。内容やタイトル、動画の作り方などによって再生回数は大きく変わり、数百回しか再生されない動画もあれば、数千回、数万回と見られる動画もあります。
こちらの会社では、ショート動画を月20本制作して投稿することにしました。
とはいえ、事務員さんや職人さんたちに動画制作までお願いするわけではありません。現場で普段通り仕事をしている様子を、スマートフォンで1〜2分程度撮影してもらうだけです。撮影した素材を送ってもらい、こちらでショート動画として編集して投稿します。これなら現場の職人さんたちにも、それほど大きな負担はかかりません。
仮に1本あたり平均1,000回再生されたとしても、
1,000回×20本=月間2万回
平均3,000回なら、3,000回×20本=月間6万回
会社や仕事の情報が人の目に触れる機会を作ることができます。
もちろん、この2万回、6万回を見ている人すべてが求職者ではありません。例えば、そのうち1%が転職を考えている人や仕事を探している人だったと仮定すれば、200〜600人。さらに、その中の1割が興味を持ってホームページを見てくれたとすれば、20〜60人です。
あくまで考え方を分かりやすくするための仮定ですが、重要なのは、求人広告だけでは作れなかった新しい接点をSNSによって増やせるということです。

求人広告とSNSでは「会社を知る順番」が逆になる
そして、SNS採用にはもう一つ大きな特徴があります。
私は、求人広告とSNSでは求職者が会社に興味を持つ順番が逆になると考えています。
求人広告で仕事を探す場合、多くの求職者は、
「給与はいくら?」
「勤務地はどこ?」
「休みは?」
「未経験でも大丈夫?」
といった条件から求人を比較します。つまり最初から「○○工業で働きたい」と思って求人を見るわけではありません。
たくさんの求人の中から、自分の希望条件に合った会社を探しているのです。言い換えれば、求人広告は「条件に興味を持ってから、会社を知る」という順番です。
ところがSNSは違います。
たまたま流れてきた現場の動画を見て、
「この仕事、なんか面白そうだな」
「こういう仕事をしている会社なんだ」
「この職人さんたち、楽しそうだな」
と、まず仕事や会社そのものに興味を持ってもらうことができます。
そこからプロフィールを見たり、ホームページを見たりして、
「給料はいくらなんだろう?」
「未経験でもできるのかな?」
「どこにある会社なんだろう?」
と条件を確認します。
つまり、
求人広告
条件を見る → 会社を知る
SNS
会社・仕事を知る → 興味を持つ → 条件を見る
この違いがあります。
これが、求人広告だけでは接点を持てなかった人にSNSを活用する大きな理由です。
さらに、SNSの役割は「SNSを見た人を直接応募させる」だけではありません。例えば、先に求人広告でこちらの会社の求人を見た人が、「どんな会社なんだろう?」と会社名を検索し、ホームページやSNSを見ることもあります。
そこで現場の動画がたくさんあれば、求人広告の文字と写真だけでは分からなかった仕事内容や会社の雰囲気まで知ることができます。
つまり、SNS → ホームページ → 応募という流れだけではなく、求人広告 → SNS → ホームページ → 応募という流れも考えられるのです。
SNSは基本的に無料で情報発信でき、投稿によってはフォロワー以外の多くの人にも情報を届けられる可能性があります。そして、興味を持ってくれた人を、先ほど作った採用ホームページへ誘導する。SNSで接点を増やし、ホームページで仕事や会社への理解を深めてもらい、応募につなげる。
SNS単体で採用しようとするのではなく、この一連の流れを「採用の仕組み」として作っていきました。

運用開始わずか2週間。TikTokから応募、そのまま採用へ
ホームページをリニューアルし、同時にショート動画の投稿もスタートしました。
これまで運用していたInstagramに加えて、TikTok、YouTubeショートにも投稿し、できるだけ多くの人に会社や仕事を知ってもらう接点を作りました。また、ホームページで仕事内容を詳しく伝えるために制作した2〜3分程度の仕事紹介動画はYouTubeにも掲載しました。
そして運用を始めてから、想像以上に早く結果が出ました。
開始からわずか2週間ほどで、TikTokを見た方から応募があったのです。
その方はTikTokでT社の動画を見て会社に興味を持ち、ホームページを訪問。さらにホームページに掲載していた仕事紹介動画を見て、「この会社で働きたい」と思ってくれたそうです。
そして、そのまま会社へ電話。
なんと、その日のうちに履歴書を持ってきてくれました。
応募してくれたのは、それまで工場で働いていた内装工事未経験の方です。その後、無事に採用となり、現在は未経験からさまざまな仕事を覚えながら、毎日頑張って働いてくれています。
今回の採用で特に注目してほしいのは、単純に「TikTokから応募が来た」ということではありません。
実際の流れを見ると、
TikTokで会社を知る
↓
興味を持ってホームページを見る
↓
仕事紹介の動画を見る
↓
「この会社で働きたい」と思う
↓
応募する
↓
採用
となっています。
まさに、最初に設計した採用の流れがそのまま機能しました。もしTikTokの動画だけだったら、応募まで至らなかったかもしれません。反対に、どれだけ良い採用ホームページを作っても、誰にも見てもらえなければ応募は来ません。
SNSで会社を知ってもらい、ホームページで興味を深め、動画で仕事を具体的に理解してもらい、応募につなげる。求人広告に月20万円かけても応募すらなかった会社が、採用の入口を求人広告だけに頼らず、仕組みそのものを変えたことで内装職人を採用することができました。

SNSをやれば採用できる、という話ではありません。
今回の記事を読んで、「じゃあ、うちもTikTokをやれば採用できるのか」と思われた方もいるかもしれません。
しかし、私が今回お伝えしたいのは、「SNSをやれば採用できる」という話ではありません。
採用に困ったとき、どうしても、
「求人広告費を増やそう」
「別の求人サイトに掲載しよう」
「もっと目立つ求人広告を出そう」
と、求人広告の中だけで解決策を探してしまいがちです。
もちろん、それで改善できる会社もあります。しかし、今回紹介した会社のように、求人広告だけでは採用したい人に十分アプローチできていないのであれば、別の方法を考える必要があります。
今回であれば、
SNSで会社を知ってもらう
↓
ホームページを見てもらう
↓
動画で仕事内容を理解してもらう
↓
「ここで働いてみたい」と思ってもらう
↓
応募してもらう
という流れを作りました。
SNSも、ホームページも、動画も、求人広告も、すべて採用するための「手段」です。大切なのは、特定の手段にこだわることではありません。
「なぜ今の採用方法では応募が来ないのか?」
その原因を考え、
「採用したい人にどうやって会社を知ってもらい、興味を持ってもらい、応募につなげるのか?」
そこまで設計することが重要だと考えています。
これから人手不足がさらに進めば、求人広告を掲載して応募を待っているだけでは、採用が難しい会社も増えていくでしょう。だからこそ、求人広告だけに頼らない、自社に合った「採用の仕組み」を持つことが大切です。
「求人広告にお金をかけているのに応募が来ない」
「いろいろな求人サイトを試したけど採用できない」
「若い人を採用したいけど、どうすればいいのか分からない」
「SNSやホームページも活用した方がいいのか知りたい」
そんなお悩みがあるなら、私が一度、御社の採用状況を見ますよ。
求人広告だけを見て、「原稿を変えましょう」「広告費を増やしましょう」と提案するわけではありません。
現在の求人広告、ホームページ、応募状況、採用したい人物像などを確認しながら、
「なぜ応募が来ないのか」
「採用のどこで止まっているのか」
「何を改善すれば採用につながりそうか」
を整理し、御社に合った採用方法を具体的にお伝えします。
初回のコンサルは無料です。もちろん、無料のご相談だけでもまったく問題ありません。
「次に何をすればいいのか分からない」という方は、お気軽にご活用ください。

