採用戦略について

求人広告に40〜50万円かけても配送ドライバーの応募がなかった会社が、無料掲載で採用できた理由

配送ドライバーのイメージ

「毎回、求人サイトに40〜50万円くらいかけてるんだけど、最近は応募すらほとんどなくて困ってるんだよね…」

そんな悩みを聞かせてくれたのは、東京都内にある食品会社の専務・Dさん。

きっかけは、共通の知人からの紹介でした。知人が私のことをDさんに話したところ、「ぜひ一度紹介してほしい」となり、会社にお邪魔することになりました。

Dさんは3代目。下町で長く続く老舗の食品会社で、当時、食品配送ドライバーを採用できずに困っていました。

これまでも、とある求人サイトを使ってドライバーを募集しており、1回の掲載にかける費用は40〜50万円ほど。最初の頃は応募もあり、実際に採用もできていたそうです。

ところが、ここ数回は状況が一変。

同じように40〜50万円をかけて求人広告を出しても、応募はほとんど来ない。もちろん、採用にもつながりません。

「また求人広告を出すしかないのかな……」

そんな状態でした。

しかし、求人の出し方を一から見直した結果、この会社は広告費をかけることなく、無料掲載だけで10件近い応募を獲得し、配送ドライバーを採用することができました。

40〜50万円かけても採用できなかったのに、なぜ無料掲載で応募が集まり、採用できるようになったのか。

特別なことをしたわけではありません。

「誰を採用したいのか」
「その人に何を伝えるのか」
「どこに求人を出すのか」

この3つを一から見直したのです。

今回の記事では、実際にどこに問題があり、何を変えたことで採用につながったのか、具体的に紹介していきます。

求人広告会社と話すイメージ画像

求人広告にお金をかける前にやるべきこと

求人広告を出しても応募が来ない、採用できない。そんな状態になると、多くの会社が、

「もっと広告費をかけた方がいいのでは?」
「別の求人サイトにも掲載してみよう」
「今より上のプランに変えてみよう」

と、広告量を増やしたり、掲載先を変えたりします。

Dさんの会社も同じでした。

いつの間にか、1回の求人募集に40〜50万円近い広告費をかけるのが当たり前になっていました。しかし、結果は良くなるどころか、以前より応募が取れなくなっていました。

元求人広告会社にいた私だから分かりますが、広告費を増やしても結果が変わらないケースはたくさんあります。

大切なのは、さらにお金をかけることではなく、まず「なぜ応募が来ないのか」を確認することです。

そこで最初に、私が採用支援でいつも行っている「診断」をしました。

Dさんの会社が実際に掲載していた求人広告を見せてもらい、

「誰を採用したいのか」
「その人に内容がきちんと伝わっているか」
「募集条件にズレはないか」
「掲載している媒体は合っているか」

といった点を一つひとつ確認していきます。

すると、いくつか問題が見えてきました。その中でも大きかったのが、求人広告の内容そのものでした。

原因は、採用したい人ではなく、求人広告会社側の都合に合わせて原稿が作られていたことだったのです。

求人広告の打ち合わせイメージ

原因① 応募を取るためだけの「妥協」

求人広告の内容を見ながらDさんにヒアリングをして、採用したい人物像や実際の勤務条件、現在の採用状況などを一つひとつ擦り合わせていきました。

すると、求人広告に書かれている内容と、実際の仕事との間にいくつかズレがあることが分かりました。

例えば、勤務開始時間。
実際には「朝5:00〜」の仕事なのですが、求人広告には「朝6:00〜」と書かれていました。理由を聞くと、「5:00〜だと応募が少なくなるから、6:00〜にしましょう」と、求人広告の営業マンから提案されたそうです。

他にも細かく確認していくと、本来の条件とは異なる部分がいくつかありました。もちろん、会社側が実際に勤務条件を変えられるのであれば問題ありません。

しかし、応募を増やすために求人広告の見せ方だけを変えても、実際の仕事が変わるわけではありません。

仮にそれで応募が増えたとしても、面接で、「実際は朝5時からなんです」と伝えれば、「求人に書いてあった条件と違う」となってしまいます。

これでは応募数を増やすことはできても、採用にはつながりません。求人広告の目的は、応募数を増やすことではありません。

会社が求める人から応募してもらい、実際に採用することです。

応募を取るためだけに条件を良く見せるのではなく、まずは実際の仕事内容や条件を正しく伝えたうえで、「その条件でも働きたい人は誰なのか?」を考える必要があります。

Dさんの会社では、ここから採用するターゲットそのものを見直すことにしました。

求人広告に悩むイメージ

原因② 誰に向けた求人なのかが決まっていない

さらにヒアリングを続けていくと、もう一つ大きな問題が見えてきました。

それは、「この求人を誰に見てもらいたいのか?」というターゲットが決まっていなかったことです。

実際の求人広告には、

・未経験者歓迎
・普通免許があればOK
・簡単な配送の仕事です

といった言葉が並んでいました。

一見すると、特に問題のない求人広告に見えるかもしれません。

応募の間口を広げるという意味では、こうした書き方も間違いではありません。実際、それで多くの応募が集まっているのであれば、その中から良い人を採用できる可能性も高くなります。

しかし、Dさんの会社はすでに40〜50万円かけて求人広告を出しても、応募がほとんど来なくなっている状態です。

それなのに、他社のドライバー求人でもよく見かけるような内容を並べているだけでは、求職者から見れば、「他の会社と何が違うの?」となってしまいます。

そこで必要なのは、さらに間口を広げることではありません。

「どんな人なら、この条件や求人内容を選んでもらえるのか?」を考えることです。

年齢、経験、現在の仕事、生活スタイル、転職する理由など、採用したい人を具体的にイメージする。

そして、その人が仕事を探しているときに、「これは自分に合っているかもしれない」と思える内容に求人広告を変えていく必要があります。

求人広告は、たくさんの人に当たり障りなく伝えるほど、結果として誰にも響かない内容になってしまうことがあります。

Dさんの会社の場合も、広告費や掲載プランを変える前に、「誰に向けて求人を出すのか?」というところから見直す必要がありました。

求人広告を変えるイメージ

原因③ 結果が出なくなっても、同じ求人広告を出し続けていた

そして、もう一つ気になったのが「求人広告の出し方」です。

Dさんの会社では、以前からの付き合いもあり、同じ求人サイトを使って募集を続けていました。もちろん、最初から結果が悪かったわけではありません。以前は同じ求人サイトから応募があり、実際に採用もできていました。

だからこそ、「募集するなら、またここに出そう」となるのは自然なことだと思います。

しかし、求人広告も一度結果が出たからといって、ずっと同じように採用できるとは限りません。

求職者の仕事の探し方も変わりますし、競合する求人も増えます。以前は反応が良かった媒体でも、いつの間にか応募が取れなくなることはあります。

そして、これは求人広告会社で長く働いていた私自身、痛いほど分かることなのですが、求人広告会社の営業マンは、基本的に「自社で扱っている求人広告の中で改善策を考える」ことになります。

応募が来なければ、

「原稿を変えてみましょう」
「掲載プランを上げてみましょう」
「もう少し長く掲載してみましょう」

といった提案になります。
もちろん、それで改善することもあります。

しかし、本当の原因が「その求人サイト自体が今の募集に合っていない」のであれば、自社の求人広告の中だけで改善を繰り返しても、なかなか結果は変わりません。

実際、Dさんの会社でも、ここ数回は40〜50万円近くかけても応募がほとんど来ていませんでした。

それでも、

「前は採用できたから」
「昔からこの求人サイトを使っているから」
「他にどこへ出せばいいのか分からないから」

という理由で、同じ媒体への掲載を繰り返していたのです。

結果が出ているなら、変える必要はありません。しかし、結果が出なくなったのであれば、一度立ち止まって、「本当にこの求人サイトが、今の募集に合っているのか?」というところから見直す必要があります。

求人広告は、掲載することが目的ではありません。

採用することが目的です。

そこでDさんの会社では、これまでのやり方を一度リセットして、

「誰を採用するのか」
「その人に何を伝えるのか」
「その人はどこで仕事を探しているのか」

というところから、求人広告を一から組み立て直すことにしました。

募集ターゲットを明確にする

改善点① ターゲットを決め直した

まず私が考えたのは、「そもそも、この仕事ができる人はどんな人なのか?」ということでした。

Dさんの会社は朝5時出社です。
この時間では電車通勤はできません。さらに会社は都内の下町にあり、車で通勤できるような立地でもありません。つまり、給与や仕事内容以前に、「朝5時にこの会社へ通勤できる人」自体が限られていたのです。

そこで、朝5時という条件を無理に良く見せるのではなく、「この近くで、普段から早朝に働いている人ってどんな人だろう?」と考えてみました。

そこで浮かんだのが「市場で働いている人」でした。

市場で働く人なら早朝からの仕事にも慣れています。さらに、食品を扱った経験があったり、配送や荷物の積み下ろしに慣れている人も多い。

「この仕事と相性がいいんじゃないか?」そう考えました。

そこで、それまでの「未経験者歓迎」「普通免許があれば誰でもOK」という広い募集から、「市場で働いているような人」を一つのターゲットイメージとして設定しました。

大切なのは、応募を増やすために条件を良く見せることではありません。

今ある条件の中で、「この仕事なら誰に合うのか?」を考えることです。

Dさんの会社では、ここを決めたことで、求人広告で「誰に何を伝えるべきか」が一気に明確になりました。

求人内容を具体的に書くイメージ

改善点② 仕事内容をより具体的に、より明確に

次に気になったのが、1日の配送件数です。Dさんに聞くと、1日に配送する件数は50件ほどあるとのことでした。

「50件か……」

数字だけを見ると、かなり大変そうに感じます。

トラックドライバーの求人では「1日2〜3件程度の配送」といった書き方もよく見かけます。それと比べて、「1日50件の配送」と書いてあれば、

「そんなに回るの?」
「かなりきつそうだな……」

と思われても不思議ではありません。そのため、もともとの求人広告では配送件数について、あえて詳しく触れていなかったようです。

しかし、ここもDさんに詳しく話を聞いていくと、私が最初に想像した「50件」とは、まったく違う仕事内容が見えてきました。

配送先は主に飲食店で、特に繁華街が多いとのこと。車で1軒ずつ50ヶ所を走り回るわけではありません。近くに車を停めたら、そこを拠点にして周辺の飲食店へ商品を届けていく。

「隣のお店へ」
「次はその数軒先へ」

そんな感覚で配送していきます。しかも、毎回たくさんの荷物を運ぶわけではなく、「挽肉を1パック届けるだけ」というケースもあるそうです。

ここまで聞いて、仕事に対する印象が大きく変わりました。

「軽自動車で繁華街まで行って、近くのお店を何軒か回りながら商品を届けていく仕事」
こう説明された方が、実際の仕事をイメージしやすくなります。

同じ「1日50件」でも、伝え方によって受け取る印象はまったく違います。だからといって、「50件」という事実を隠したり、少なく見せたりする必要はありません。

大切なのは、その数字だけでは伝わらない「実際はどんな仕事なのか」まで具体的に伝えることです。

私はここまで仕事内容を具体的に伝えれば、

「それなら自分にもできそう」
「これならやってみたい」

と思ってくれる人がいるはずだと考えました。

求人広告は、条件を良く見せることが大切なのではありません。

実際の仕事がどんなものなのかを、求職者が頭の中でイメージできるところまで伝える。それだけでも、求人広告の反応は大きく変わります。

求人広告を変えて成功したイメージ

改善点③ 掲載する求人広告を変更した

ターゲットが決まり、求人広告で伝える内容も固まりました。そして最後に考えたのが、「この求人を、どこに掲載するか?」です。

私は求人広告会社で長く働いてきましたが、記事や動画では「この求人サイトがおすすめ」「この媒体は良くない」といった話は、基本的にしていません。

求人広告にはそれぞれ特徴があり、募集する職種や地域、採用したい人によって向き不向きがあるからです。もちろん、実際の診断や提案では、募集内容を見たうえで「今回はここが合うと思います」と具体的にお伝えしています。

Dさんの会社についても、これまで40〜50万円かけて掲載していた求人サイトをそのまま使うのではなく、今回のターゲットや募集内容なら、別の求人広告の方が採用につながりやすいと考えました。そこで選んだのが、無料から掲載を始められる求人広告でした。

実はこのとき、もう一つ事情がありました。

ちょうど知人からの紹介で、1名の面接希望者がいたのです。もし先に50万円をかけて求人広告を掲載し、その直後に紹介された人の採用が決まったらどうでしょう。求人広告をほとんど使わないまま、50万円の広告費だけがかかってしまいます。

それでは、あまりにももったいない。

そこで今回は、

まず無料で求人を掲載する。

紹介された方と面接する。

そこで採用が決まれば求人を止める。

決まらなければ、必要に応じて有料掲載に切り替える。

という進め方にしました。

もちろん、単に「無料だから」という理由で選んだわけではありません。一番の理由は、今回採用したいターゲットと、その求人広告の相性が良いと判断したからです。

以前の求人広告は、一度契約すれば、掲載途中で採用が決まっても契約した広告費を支払うというものが一般的でした。

しかし最近では、無料から始められたり、必要になったタイミングで有料掲載に切り替えられたりと、採用状況に合わせて柔軟に使える求人広告も増えています。

だからこそ、「求人を出す=最初から何十万円もかける」と考える必要はありません。採用したい人や募集状況に合わせて媒体を選び、まず小さく始めて、必要なら広告費をかける。

こうした求人広告の使い分けも、無駄な採用コストを抑えながら採用につなげるための大切なポイントです。

応募が爆増したイメージ画像

40〜50万円かけても採用できなかったのに、無料掲載で10件近い応募

こうして、新しく選んだ求人広告で募集をスタートしました。最初は無料掲載からです。

ただ、私自身も「無料で採用しよう」と考えていたわけではありません。まず無料で反応を見て、必要になった時点で有料掲載に切り替える。そのくらいの考えでした。

ところが、掲載を始めると少しずつ応募が入り始めました。そして最終的には、無料掲載の段階で10件近い応募を獲得。

その中から1名を採用することができ、あれだけ苦労していた配送ドライバーの募集は、良い意味であっけなく終了しました。

以前は40〜50万円近い広告費をかけても、応募すらほとんど来なかった会社です。それが今回は、広告費をかける前に採用できてしまったのです。

D専務も驚いたようで、「今まであんなにお金をかけて、あれだけ採用に困っていたのに……こんなに簡単に採用できるんですね。矢島さんには頭が上がりませんよ(笑)」と言ってくれました。

そこで私は、少しコンサルタントらしく、「求人広告も、誰を採用するのかを決めて、内容を考えて、合った媒体を選べば、ちゃんと結果は変わるものですよ」なんて偉そうに返しました。

……とはいえ、私自身も無料掲載だけでここまで応募が来るとは思っていませんでしたが(笑)。

ただ、この結果を見て改めて感じたことがあります。

今回うまくいった理由は、「無料の求人広告を使ったから」ではありません。

誰を採用したいのかを考え直し、その人に仕事内容がきちんと伝わるよう求人広告を作り直し、そのターゲットに合った掲載先を選んだ。その結果として、今回は無料掲載の段階で採用までつながったのです。

求人広告は、お金をかければかけるほど採用できるものではありません。

広告費を増やす前に、今の求人広告に改善できるところがないかを見直してみる。

Dさんの会社は、それだけで採用結果が大きく変わった事例でした。

IndeedのAI対策をするイメージ

求人広告にお金をかける前に、一度原因を見直してみる

今回、無料掲載だけで採用できたのは、たまたま「無料の求人広告が良かったから」ではありません。

誰を採用したいのかを考える。
その人に伝わる求人広告を作る。
募集に合った掲載先を選ぶ。

こうした取り組みを行った結果、今回は広告費をかける前に採用までつながりました。

もちろん、職種や地域によっては、求人広告にしっかりお金をかける必要もあります。ただ、応募が来ないからといって、すぐに広告費を増やす必要はありません。

もし御社も、

「求人広告を出しても応募が来ない」
「以前は採用できたのに、最近は反応が悪い」
「また30万円、50万円かけて掲載するべきか迷っている」

そんな状態なら、次の求人広告を出す前に、一度「なぜ採用できないのか」を確認してみませんか?
初回の無料コンサルでは、実際に掲載している求人広告や、これまでの採用状況を私が確認します。

応募が来ない原因はどこにあるのか。
何を変えれば採用につながるのか。

求人広告を変えるべきなのか。
原稿を変えるべきなのか。
それとも、別のところに原因があるのか。

御社の状況を見ながら、これから何をすればよいのか、具体的にお伝えします。

また求人広告に何十万円もかける前に、一度、御社の求人を私に見せてください。成果につながる作戦を一緒に考えてから、次の募集を始めましょう。

初回のコンサルは無料です。もちろん、無料のご相談だけでもまったく問題ありませんので、お気軽にご活用ください。

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