採用戦略について

求人広告に年間200万円かけても採用できず…廃業まで覚悟した土木工事会社が、次々と採用できるようになった理由

採用に困っている社長のイメージ画像

「求人を出しても採用できない。社員も高齢化してきて辞める人も増えている。このままでは現場が回らないどころか会社をたたむしかないかもしれない…。」

埼玉県某市で土木工事を行うS社。
久しぶりにお会いした社長の第一声でした。

求人広告に年間200万円以上かけたこともある。
建設系専門サイトに出しても採用どころか応募もほとんどない。
ようやく面接できたと思ったら、「ダンプの運転だけならやるよ」と希望とは程遠い人材。

60歳を超える社員たちの中には「そろそろ現場仕事はきついから引退しようかと」そんな相談もちらほら出始めていた。

このままでは会社の未来が危ない…。

しかし、この会社は、その後わずか数か月で採用できる会社へ変わります。

何を変えたのでしょうか?

採用難に苦しむ土木工事会社のイメージ

広告費を増やしても、人材を妥協しても採用できなかった

多くの会社はこのような状況になると、掲載する求人広告を変えたり、営業マンの提案通りに予算を増やしたり、年間契約をしたりします。

「土木作業員の採用単価は100万ですから、もっと広告費を増やさないと応募が取れません」
「うちは、専門サイトなので作業員の採用は他より強いですよ」

そんな営業マンの言葉を信じて契約するも…期待しては落胆する繰り返し。中には妥協して採用しようとしたり、採用すること自体を諦めてしまう会社もあります。

こちらのS社も同じように色々な求人サイトを試したり、採用ターゲットの年齢をシニア層にしたりしました。

60歳を超えてても構わない。
5年10年とは言わない、2年3年働ける人でいい。

このような「妥協」をして人を確保しようとするも、それでも思うように集まらない。そんな状況が続いていました。

採用戦略を相談するイメージ画像

原因は求人広告ではなかった

私はこのS社のホームページを制作した経緯もあり、採用について助言もしていました。しかし、私自身が「土木作業員の採用」という出口が見えず、これだという提案も浮かばない状態が続いていました。

長年の経験から土木工事という仕事は「採用できない」仕事だと、頭の片隅に決めつけがあったのかもしれません。また、動画やSNSといった話をしても、きっと聞いてもらえないだろうと思っていた気がします。

しかし、それではダメだ。
言うだけ言ってみようと思い、一から原因の見直しをしました。

応募がない、採用に繋がらない原因は求人広告ではない。診断の結果、問題は別のところにありました。

通勤に疲れた作業員のイメージ画像

原因1 ターゲット設定の間違い

まず思ったことが「ターゲット」です。

そもそも、求人情報をどんな人に届けたいのか?どんな人なら魅力に感じてくれるのか?そこを徹底して練り直しました。

本来は妥協した60歳ではなく、もっと若い世代の採用が理想です。とはいえ、流石に20〜30代は現実的ではないので、40〜50代にターゲットを変更しました。そして、この層が望むこと、この層の転職理由を掘り下げて考えていきました。

そして、たどり着いたのが「通勤時間」という切り口。その会社は「現場が同じ市内」という特徴があり、現場は遠くても車で15分程度です。

現場作業員の多くは、会社へ出勤したあと、さらに現場まで移動します。朝はまだ暗いうちに家を出て、帰宅する頃には夜。若いうちは当たり前だった生活も、40代、50代になると身体への負担を強く感じるようになります。

毎日3〜4時間を通勤だけで使う人も珍しくありません。

「もっと現場が近い会社はないかな」
「通勤だけでも楽になれば…」

そんなことを考える人は少なくありません。

そこで私たちがPRしたのは、給与でも仕事内容でもありません。

「現場が近い」

たった、それだけでした。
しかし、この一言が40〜50代の求職者には驚くほど刺さったのです。

「現場は遠くても15分。」
「朝早く家を出なくても間に合う。」
「夕方には家でお風呂に入れる生活。」

このメッセージを前面に打ち出したのです。

原因2 求人広告だけでは伝わらない

さらに問題点として「求人広告だけでは、会社の魅力は伝えきれない。」という結論に至りました。

求人広告は切り離せない採用ツールですが、そこにはライバルが多すぎます。Indeedで検索すれば数百や数千件の募集が出てきます。求職者からすれば、探して比較するだけでも一苦労です。

S社を直接見てもらうにはどうしたらいいのか?
そう考えて、SNSを活用した発信も行いました。

幸い、社長も「採用するためなら、できることは何でもやるよ!」も言って頂きましたので、ショート動画を制作して投稿し始めました。同時に、ホームページをリニューアルして、動画を活用。仕事内容や現場を見せたり、PRポイントである現場の近さをアピールしました。

求人広告×ホームページ×SNS、この3本の矢で、ひたすら発信してターゲットに届けます。

求人広告費は月4万円まで減らしました。以前は年間200万円近くかけていた会社です。

すると、2週間程度で応募があったり、SNSでも「働いてみたい」というコメントが増えたり、情報がしっかり届いている実感がわきます。今までは、掲載してもほとんど反応がないので、このように反応が増えると希望が湧いてきます。

結果として、40代の元解体工の方を採用できました。まさに狙い通りで、「通勤が大変だから転職を考えていた」人でした。

その後も試行錯誤しながら、3ヶ月程度で10件以上の応募を獲得、合計3名を採用し採用活動を終えることができました。

採用できて喜ぶ社長のイメージ

今までのように、求人広告だけでは土木作業員の応募すら獲得できなかった可能性があります。

土木作業員のような採用難易度Sランクの募集は他にも多数あります。このような難しい募集は求人広告だけでの採用は困難を極めます。

もし、御社も、

  • 求人広告を出しても応募が来ない
  • 応募は来るけれど採用できない
  • 毎年同じ募集を繰り返している

そんな状況なら、原因は求人広告だけではないかもしれません。今回紹介したS社が採用できるようになった理由は「広告費を増やしたこと」ではなく、採用の仕組み全体を見直したことでした。

求人広告、ホームページ、SNS、採用ターゲット──。

S社も最初は「求人広告が悪い」と思い、掲載媒体を変えたりしました。しかし実際には、原因はターゲット設定と情報発信の手段でした。

御社の場合は、ホームページかもしれません。
SNSかもしれません。
求人広告の内容かもしれません。

闇雲に、ホームページを新設せずとも、SNSを始めなくとも、求人広告を徹底的に見直すだけで応募数が倍増する場合もあります。

原因が違うのに、広告を変えても、広告費だけ増やしても結果は変わりません。
まずは「求職者はどこで応募するのをやめてしまっているのか?」を見極める必要があります。

もし、この記事を読んで「うちも同じ状況かもしれない」と感じたなら、まずはこの「求職者の離脱ポイント」を見つけていきましょう。

病院でも、いきなり薬や手術をすることはありません。まずは診断をして、原因を特定してから治療を始めます。

採用も同じです。

求人広告なのか。
ホームページなのか。
情報発信の方法なのか。
それとも採用ターゲットなのか。

原因が分かれば、やるべきことも見えてきます。
だから、まずは「診断」が必要です。

何が原因なのか。
どこから改善すればいいのか。
広告費をかける前にやるべきことは何なのか。

原因が違えば、打つべき施策も変わります。
もし一人で整理するのが難しいようでしたら、お手伝いします。

実際にS社も、この「診断」をきっかけに採用の突破口が見つかりました。

今のまま、広告費を垂れ流したり、無駄に採用サイトやPR動画を作ってしてしまうのは本当にもったいないです。

私も、ホームページも動画もSNSも提案してきました。でも、それが必要だと判断した会社だけです。無理な営業や売り込みはしていませんので、「まずは原因だけ知りたい」という方もお気軽にご相談ください。