採用戦略について

Indeedからの応募の9割が外国人…それでも若手日本人を採用できた採用戦略

外国人ばかりの応募に困る社長のイメージ画像

「以前は、Indeedに掲載すれば採用できたのに…。」
「急に外国人の応募ばかりで希望する人材が採用できなくなった。」

このような相談が多く寄せられるようになってきましたが、私が採用支援を行っている千葉県の製造会社B社でも、まさに同じ問題が起きていました。

B社では2023年頃からIndeedを活用し、3か月ほど運用すれば10〜20件の応募を獲得。その中から1名を採用できる状態が続いていました。

応募の内訳は、外国人が約5割、中高年が2〜3割、そして残りがターゲットとしている20〜30代の日本人。十分採用できる状況だったのです。

ところが昨年末頃から状況は一変します。

応募の9割以上が外国人。
少ない月でも8割以上が外国人からの応募でした。

もちろんB社ではベトナムの方をはじめ外国人スタッフも活躍しています。しかし今回採用したいのは20〜30代の若手日本人です。

応募は来る。
でも欲しい人材からの応募が来ない。

採用担当者も、そして私自身も「何が起きているんだ?」と頭を抱えました。広告代理店やIndeed側にも確認しましたが、「Indeedは世界中で利用されているため、外国人応募が増えやすい」という回答だけ。

しかし、以前とはあまりにも状況が違います。

「何か仕様が変わったのでは?」
「外国人にばかり表示されているのでは?」

そう疑ってしまうほどでした。

それでも試行錯誤を重ねた結果、外国人応募を減らし、20〜30代の日本人からの応募を獲得。そして採用につなげることができました。

では、何を変えたのでしょうか。

求人広告会社に連絡する社長のイメージ

広告費を増やす、露出を増やすでは解決できない。

確かに、製造業や物流業、現場系の仕事は以前から外国人の応募が比較的多い職種でした。しかし、それでも以前は日本人からの応募も一定数あり、採用につながっていました。

ところが現在は状況が大きく変わっています。

応募自体はある。
しかし、そのほとんどが採用ターゲットではない。

つまり、「応募がない」のではなく、「応募はあるのに採用できない」という、より厄介な状況になってしまったのです。

こうなると、多くの会社は、「もっと応募数を増やせば、その中に日本人も増えるのではないか」と考えます。

そのため、

・求人広告費を増やす
・掲載媒体を変更する
・給与や待遇を見直す

といった対策を検討します。

営業担当者からも、「広告費を増やして、もっと多くの求職者へ届けましょう。」そんな提案を受けることも少なくありません。

もちろん、それで改善するケースもあります。しかし、B社の場合は違いました。仮に広告費を2倍、3倍に増やしたとしても、外国人応募が増えるだけでは意味がありません。

欲しいのは応募数ではなく、採用したい人からの応募です。つまり、本当の問題は求人広告の費用でも、露出数でもありませんでした。

原因は、もっと別のところにあったのです。

採用戦略を説明する矢島

AI時代の求人広告の仕組みを理解する必要がある

この問題に対して、代理店の担当者やIndeed側のアドバイスだけでは解決できず、私はさまざまな角度から検証を重ねました。

すると、ある傾向が見えてきました。

B社と同じように、応募のほとんどが外国人になってしまった会社もあれば、以前とあまり割合が変わっていない会社もあるのです。つまり、「外国人からの応募が極端に増えた会社」と「増えていない会社」が存在していました。

この違いは何なのか。
私は、AIによる求人の表示方法やおすすめに原因があるのではないかと考えました。

もちろん、Indeedなどの求人検索エンジンはアルゴリズムを公開していません。ですから、ここから先は私が数多くの運用結果から導き出した仮説になります。

現在の求人検索エンジンは、単純にキーワードが一致した求人を表示する仕組みではありません。AIが求職者一人ひとりの検索履歴や応募履歴、閲覧傾向などをもとに、「この人には、この求人が合いそうだ」と判断し、おすすめ求人として表示する仕組みへと大きく変わっています。

つまり、同じ求人でも、AさんとBさんでは表示される順位や表示される求人そのものが違う時代なのです。

ここからは私が数多くの運用結果から導き出した仮説です。

もし最初の段階で外国人からの応募が多く集まった場合、AIが「この求人は外国人ユーザーとの相性が高い求人だ」と学習しているのではないか。その結果、日本人よりも外国人求職者へ優先的に表示されるようになり、さらに外国人からの応募が増える。

その応募実績をAIが再び学習し、ますます外国人へ表示されやすくなる…。そんな循環が起きていたとしても、不思議ではありません。実際、この仮説で考えると、B社で起きた「応募の95%が外国人」という現象にも説明がつきます。

もしこの仮説が正しいのであれば、必要なのは応募数を増やすことではありません。AIに「この求人は別のターゲット向けだ」と認識し直してもらうことです。

そのためには、これまでの求人票をそのまま使い続けるのではなく、職種名や仕事内容、ターゲットの伝え方まで見直し、AIが新しい求人として理解しやすい形へ作り直す必要があると考えました。

広告費を増やし応募数を増やすことは、場合によっては、AIの学習をさらに偏らせてしまう可能性があります。

AI採用対策の改善案

採用ターゲットとAIに向けた求人内容を作る必要性

広告内容を変えるにあたり、大切なことがあります。

それは、

・ターゲットが魅力を感じる求人を作ること
・AIが「誰に見せる求人なのか」を理解しやすい求人を作ること

です。

これからの求人広告は、求職者だけではなく、AIにも伝わる求人を作らなければなりません。そこでB社では、求人内容を大きく見直しました。

例えば、

■ 将来を見据えて長く働ける環境をPR

「資格取得支援」「キャリアアップ」「長く働ける会社」といった内容を強化しました。

これは、数年間働いて帰国することも多い外国人求職者よりも、日本で長く働きたい人に響きやすい内容です。

■ 日本語でのコミュニケーションが必要な仕事であることを明確化

業務報告書の作成や書類の記入、社内でのコミュニケーションなどを具体的に記載しました。

仕事内容を正確に伝えることで、日本語での読み書きやコミュニケーション能力が必要な仕事であることを、求職者にもAIにも理解してもらいやすくしました。

さらに、Indeedだけに頼るのではなく、無料で掲載できる他の求人サービスにも同時に掲載を開始しました。

もしIndeedのAIが過去の応募傾向を学習しているのであれば、新たな求人サービスでも同時に露出することで、偏った学習の影響を受けにくくなると考えたからです。

また、ホームページに掲載している工場紹介や製品紹介、仕事内容の動画へ誘導する文章も追加しました。

求人票だけでは伝わらない会社の雰囲気や仕事内容を見てもらうことで、日本人求職者にも安心して応募してもらえるよう工夫しました。

その結果、日本人からの応募が徐々に増え、その中から30代前半の方を採用することができました。

外国人応募の割合も、それまで約95%だったものが約6割まで改善。

もちろん、この結果がすべてAIの影響によるものとは断言できません。しかし、「ターゲットに伝わる求人」と「AIがターゲットを理解しやすい求人」へ改善したことが、大きな転機になったことは間違いありません。

AI時代の採用対策のイメージ

AI時代の採用は「ただ」求人広告に出すことではない

今回の事例は、「AI時代の採用対策」を考える上で、私自身も非常に勉強になったケースでした。

私が求人広告会社で営業をしていた頃は、「売上を伸ばすために応募を増やすこと」が仕事でした。売上を伸ばすためには、応募を増やす。その中から採用してもられば結果オーライ。そう思っていました。

しかし、採用支援を行うようになった今は、考え方が大きく変わりました。

応募はゴールではありません。
採用もゴールではありません。

会社が本当に必要としている人材を採用し、その人が長く活躍し、会社の成長につながることが本当の目的です。もちろん、入社後の教育や定着まですべて私が支援できるわけではありません。だからこそ、少なくとも「採用する人材」には徹底的にこだわりたいと考えています。

今は、求人広告に掲載するだけでは不十分な時代になりました。

「どうすれば求職者に見てもらえるのか。」
「どうすれば会社の魅力が伝わるのか。」
「どうすれば応募や面接という行動につながるのか。」

こうした採用マーケティングの考え方が、これからは欠かせません。

さらに今は、AIの存在も無視できません。

AIはどの求人をおすすめするのか。
どの会社を信頼できると判断するのか。
ホームページや動画、SNSなどの情報をどのように評価しているのか。

これからは、こうしたAI対策の視点も採用活動の中に取り入れていく必要があります。

AIやアルゴリズム、レコメンドと聞くと難しく感じるかもしれません。しかし、特別なことをする必要はありません。ターゲットを見直し、求人内容を改善・運用し、ホームページやSNSで会社の魅力を伝える。

その結果を見ながら、また改善する。このような地道な試行錯誤を積み重ねられる会社が、採用難の時代でも選ばれる会社になっていくのだと思います。

AI時代になっても、採用するのはAIではなく人です。だからこそ、AIに選ばれる会社であると同時に、人にも選ばれる会社づくりが、これからますます重要になると私は考えています。

もし御社も、

・外国人からの応募ばかりになってしまった
・若手日本人を採用したい
・Indeedの効果が以前より落ちたと感じている
・求人広告を出しても採用につながらない

そんな状況であれば、一度採用活動全体を見直してみることをおすすめします。

会社によって原因は異なります。

求人広告かもしれません。
ホームページかもしれません。
SNSの発信不足かもしれません。

あるいは、AIに会社の魅力が十分伝わっていないことが原因かもしれません。

原因が違えば、改善方法も変わります。だからこそ、広告費を増やす前に、まずは採用活動全体を客観的に診断してみませんか。

矢島採用コンサル事務所では、無料採用診断を行っています。現在の採用方法を一緒に整理し、応募が集まらない原因や改善の優先順位をご提案します。

無理な営業や売り込みは行っていません。「まずは原因だけ知りたい。」そんな方も、お気軽にご相談ください。