製造業は、これまで比較的採用しやすい職種でした。今でも「ちゃんとやれば採用できる仕事」だと思います。ただ、ここ最近は明らかに状況が変わってきています。応募が減ってきた、来ても外国人や高齢者ばかり、そもそも面接までいかない。こうした相談が、一気に増えています。
実際の例ですが、千葉県内のプラスチック製品を扱う製造会社でも同じことが起きました。昨年までは、求人広告を出せば1回で1名は採用できていました。2〜3ヶ月出せば、複数の応募の中から選べる状態です。
ところが、昨年末あたりから状況が一変します。Indeedからの応募のほとんどが外国人になり、日本語でのやり取りが難しく、面接すらできない状態に。それまで外国人の応募は半分程度だった割合が、気づけば9割近くまで増えていました。
原因ははっきりとは分かりません。Indeed側の仕様や表示の変化もあるかもしれません。ただ、現場にとって重要なのはそこではありません。「応募は来るが、採用できない」これでは意味がありません。そこで他の求人媒体も試しましたが、今度は応募自体が来ない。結果として、面接すらできない状態になってしまいました。
こうなると多くの会社が次のように考えます。
媒体を変えればいいのではないか。
原稿を変えればいいのではないか。
給料を上げればいいのではないか。
しかし、実際にはどれも決定的な解決にはなりません。今まで、散々試行錯誤してきたはずです。では、何が問題なのか。
それは「採用の仕組み」ができていないことです。
求人広告は応募を獲得するだけのものではありません。求職者との出会いの場であり、興味を持ってもらうきっかけでもあります。応募がないからダメだと考えるのではなく、そこで興味を持った求職者はホームページを訪れ、SNSや動画を見ているかもしれません。結果的に応募に繋がらないが、すぐそこまで来ていたかもしれません。
逆に言えば、この求職者の心理や行動を理解して、ホームページを整備し、SNSを活用すると、せっかくお金をかけて出した広告の効果を倍増させることができます。これができていない会社は、どれだけ広告費かけても今後採用はうまくいかなくなります。
実例を紹介した製造会社さん、この状況を打破するためにも次のようなことをやっていきたいと私は考えています。
まず、仕事の中身をしっかり見せること。工場内の様子や仕事内容を動画で伝え、働くイメージができる状態をつくる。
次に、SNSで現場の雰囲気や日常を発信すること。バズらせる必要はありません。通勤圏内の20〜30代に知ってもらうこと、「ここなら働けそう」と思ってもらうことが目的です。
そして、ある程度SNSのコンテンツが揃った段階で、エリアとターゲットを絞ってSNS広告を出そうと思っています。
この順番が重要です。いきなり広告を出しても、見せる中身がなければ意味がありません。さらに、この会社には明確な強みがあります。2交代制である分、給与が高い。未経験でも月35万円以上になります。
周辺の製造業が日勤で20万〜25万円程度であることを考えると、これは大きな差です。ただし、「2交代制=きつい」と思われたままでは意味がありません。その分しっかり稼げる。ここをどう伝えるかで、結果は大きく変わります。
採用は難しいことをする必要はありません。
何を見せるか。
どう伝えるか。
どこに届けるか。
これを整理するだけです。
製造業の採用ができなくなったわけではありません。やり方が変わっただけです。その変化に対応できるかどうかで、採用できる会社と、できない会社に分かれていきます。
もし今、応募が来ない、来ても採用できない、何をすればいいか分からない、この状態であれば、一度整理してみてください。採用は、構造を変えれば結果も変わります。
