「今回も採用できなかったな…」
求人広告の掲載期間が終わる頃、営業担当から「次はどうしますか?」という連絡だけが来る。特別な改善案が出てくるわけでもなく、「応募はありますからね」という、どこか他人事のような説明を聞いて終わる。
条件が悪いのか、仕事内容が原因なのか、それとも、そもそも働く人が減っているのか…いくら考えても答えが出ず、同じことを繰り返している感覚だけが残る。
そんな社長は、ここ数年で確実に増えています。
私は、求人広告会社でも、ホームページ制作会社でも、人材派遣会社でもありません。20年近く採用に関わり、現在は「採用の相談役」として、業種や規模を問わず、さまざまな採用現場を見てきました。
特定のサービスを売る立場ではなく、「なぜ採用がうまくいかないのか」「どこで判断を間違えているのか」を一緒に整理する立ち位置で関わっています。ここでは、そのような中立的な視点から、いま採用の現場で何が起きているのかを整理していきます。
あくまで目安ですが、求人広告と相性の良し悪しは、ある程度決まっています。
大きく分けると、
・広告で比較的採用しやすい仕事
・内容次第で可能性が分かれる仕事
・広告だけでは採用が難しい仕事
この3つです。
たとえば、事務職や倉庫内作業は、広告との相性が比較的良い仕事です。ドライバーや営業職は、条件や出し方次第で結果が大きく変わります。一方で、土木作業員や自動車整備士などは、広告だけでの採用が難しくなりがちです。
仕事内容だけでなく、募集条件も大きく影響します。平日休みより土日祝日休み、夜勤より日勤、給与が相場から大きく外れていないか。広告だけでは採用が難しい仕事に加えて、条件面が世間の希望と乖離している場合、求人広告だけでの採用は、現実的ではありません。
逆に、広告と相性の良い仕事で、世間が求める条件が揃っていれば、無料掲載でも採用できるケースは珍しくありません多くの会社が悩んでいるのは、「まったく応募がない」よりも、「応募はあるのに採用に至らない」ケースです。ドライバー職は応募数に波がありますし、製造業では外国人や高齢者の応募が増え、結果的に採用できないという相談も増えています。
求人広告からの応募がない…
応募があっても条件が合わない…
やっと対象内の応募が来ても音信不通…
期待しては落胆し、その繰り返しで「もう採用は難しいのでは」と感じてしまう社長も少なくありません。
私が採用に関わり始めた20年前、求人広告といえば雑誌や新聞といった紙媒体が中心でした。当時も採用に苦労する会社はありましたが、現在は人がいないことで仕事を断らざるを得ず、場合によっては廃業に追い込まれる会社も出てきています。それだけ、採用を取り巻く環境は大きく変わっています。
一方で、会社側の取り組みが追いついていないケースも少なくありません。広告費は使っているのに、ホームページは何年も更新されていない。動画が当たり前の時代でも、動画を活用していない。無料で使えるSNSも「苦手」という理由で避けている。
こうした点を少しずつ見直し、継続して取り組んできた会社は、広告だけでは難しい仕事でも、安定して採用できています。
募集条件はこれで良いのか。
広告の出し方は適切か。
求職者が見たとき、ホームページは信頼できる内容か。
動画やSNSを思い込みで避けていないか。見直すポイントは、決して多くありません。整理して改善すれば、採用できる会社に変わる余地はあります。
次回は、「なぜ求人広告を出しても採用できないのか」その理由を、さらに具体的に掘り下げていきます。理由を知ることで、広告だけに視野を向けた採用から抜け出し、採用全体をどう考えるべきかが見えてくるはずです。
